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第二話 パンドラ…子宮の宝箱(SF)

last update Huling Na-update: 2025-02-07 18:53:29

私は 愛してしまったのか この創りものの人の形をした人形に

天才化学者として、人々に尊敬され恐れられた、この私が・・・・

闇に浮かぶ青い星 その星を猊下に見下ろす

宇宙ステーション

我等の故郷の惑星は 遥か彼方

実験室へのドアを開ければ

青い星を模した、木々や緑の森の中へと私は足を踏み入れる。

創られたといえ、美しい緑が私を包み込む

そして、 その緑の奥にいた少女が私に気づく

少女が私に向かい微笑んでこちらに駆けてく

私を慕い、嬉し気にその小さな両手で

抱き締める少女の身体から甘い薫りがしていた

美しい少女の形をしたもの

愛くるしい大きな瞳  風にそよぐ長いしなやかな金の髪

柔らかで、しなやかな曲線を描く身体

彼等の気が知れない..私と同じあの化学者ども

星に住む猿どもから遺伝子を改良し、あろうことか、我々と同じ人間の形を創りあげた

たしかに…その手腕は誉めてやろう

だが 我々の人口が少々、減少した

子供が、この数年生まれない

その程度の問題で 創りものの人間の形をした猿どもとの間に 

我々の子孫をつくるだと……

だから 私はこれを創ったのだ

さまざまな病と破壊的な性格を持ち合わせる子供達が産まれてくるだろう

悪夢のような遺伝子を埋め込んだ

この可愛らしく無邪気な少女に…

生まれてくる子供達

奴ら..他の科学者どもに気づかれぬように細工はした

数世代ののちに表れるように

その遺伝子が広がるように    

寿命はせいぜい30年位だろうか    

老化も早くなる。    

暴力的、破壊的人格を持った人間も多く表れるだろう

仲間である同じ人間あるいは

みずからを破壊してゆく為に

……………

……………………。

あの時、なぜ、あの少女を創り出してしまったのだろう

なぜ、私は、こんなにも深くあれを、実験体の少女愛してしまったのだろう

私を慕う可愛らしい少女 見詰められ その瞳を逸らせなかった。

認めるべきだったのだ…自分の気持ちに

皮肉にも....移住して来た我々に 再び子供達が産まれてきた

とあるウイルスが原因とわかり、その治療に成功したので

そして、彼等は計画を中止したのだ。

全ては破棄された。

そう...そのはずだった.....

彼等にしてみれば...

あの時の私、同様

しょせん、,まがい者、偽物の子孫など....欲しくはなかったのだろう

今はこの星の辺境の片隅で、破棄されたはずの実験体の彼等と ひっそりと暮らし研究を進め

長く気の遠くなる年月が過ぎ去り もう少女はいない  少女は、ある男を愛した 

そして 遺されたのは面影を映す子供達

私は少女の遺伝子を持つ幼い子供達の為に、私はみずからの罪を償う為

研究を進め  

多くをこの子達に伝え学ばせ、多くを学ばせる。

なぜなら…私は間に合わないかもしれぬ、確実に病が私を蝕んでいたから

もし、私が間にあわなければ 

この子達は自身が、みずからを癒さなければならないのだから

少女の名前はパンドラ

遥か彼方の星の古い言葉...「宝物」の名前を与えられた...

     わたしの....大切な...

作品登録 25.2.7

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  • 代価に与えられしは…くちずけ一つ(即興…短編集)   前世の恋 戦国時代の姫 星に想いと願いを 2

    その頃、婚ぎ先の花婿の国では「ああ!若様!若様ああ!」「若!!」「なんたる事だ! 若様が亡くなられた これから花嫁をお迎えするはずだったのに」「流行病さえなければ、なんたる事だ!」まわりの者たちが、若き未来の主の骸を、取り囲む嘆きと悲嘆の声そっと、離れた場所から、その若様の御付きの者が見つめている。若い武者、小姓、護衛の一人 年の頃は その若様と変わらない。よい顔立ちの美貌そして、影武者や毒見役も彼の仕事のひとつだった風格のある老人、彼が、じいや、一人の男に耳打ちをした。「あい(はい)、承知いたしました」「籐野 空也よ、そちがしばらくの間は、若様じゃ」目を赤く泣き腫らしながら一人の老人が言ったのだった。「!それは どうゆう事でございましょうや?」「養子に出した弟君が戻られるまでじゃ」「弟君は、子のない親戚筋にぜひにと頼まれたが、こうなったっては仕方の無い事だ」「なにがなんでも、戻っていただく」「!」「弟君が戻られたら そちは遠出の最中に馬から落ちて亡くなったことにするそして、代わりに弟君に、花嫁と再び婚姻していただく」「親戚筋の領主は、前々から、空也、そちを欲しがっておった。あのときは 断ったが…いや、であれば…ほとぼりがさめて、戻ってきてもよしあるいは、他の主を捜してやろう、それとも別に望みがあれば叶えてやろう」「そちには、無理を頼むが、よろしく頼むぞ 空也」一人の風格のある老人が声をかける、この国の主早くに息子を亡くし 今また孫を失ったのだ。目元には涙が浮かんでいる。「!・・しかし御前さま、殿さま、それよりも弟君の帰還をお待ちしてからのほうがよいのでは、ありませんか?」御前さまと呼ばれた男はおもむろに答える「空也よ、他に手だてがない、どうしてもこの同盟は必要なのじゃ」「わかりました、そのお役目承ります」籐野 空也は 頭(こうべ)をたれた。「一大事でございます!」誰かが 慌てふためき、飛び込んできた。ささっと、おつきの者たちをはじめ、まわりの者たちが、若君の遺体を隠す。「何事だ?どうしたというのだ?」「我々の同盟を心よく思わぬ者たちが、婚礼の花嫁一行を襲うと!たった今 密偵から知らせが参りました!」「なんと!」「空也よ、そちが行くのじゃ、影武者の若君として、なんとしても、姫君を守るのじゃ!」

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